2015.06.01
「あのね、いいこと おしえようか。
たなかさんちの うらにさ
たんぽぽが
いっぱい さいてるんだよ」
わたしは、ゆっくりと いってみました。
「あした また みにいくんだ。
よしくんも いかない?
ちょっと よりみちしない?」
言葉を操るということは、とてもむずかしい行為です。
私たちは日ごろ、「はなす」という行為を通じて、相手を思いやったり、お互いの気持ちを伝え合ったりしています。
はなす 竹内敏晴 文 / 長谷川集平 文・絵 復刊ドットコム刊 定価2,200円+税
版型:A4変
頁数:40ページ
竹内敏晴(たけうち としはる)
1925年東京都生まれ。東京大学文学部卒業。演出家として劇団ぶどうの会、代々木小劇場などで活躍。1972年、竹内演劇研究所を主宰開設し「からだ」の問題にとりくむ。宮城教育大学教授などを経て、南山短期大学人間関係科教授などを歴任。
著書に、『ことばが劈かれるとき』『からだが語ることば』『ドラマとしての授業』『時満ちくれば』『からだ・演劇・教育』など。2009年没。
長谷川集平(はせがわ しゅうへい)
1955年兵庫県生れ。武蔵野美術大学在学中に第3回創作えほん新人賞受賞作『はせがわくんきらいや』でデビュー。『見えない絵本』で赤い鳥文学賞、『石とダイヤモンド』、『鉛筆デッサン小池さん』の2作で路傍の石文学賞、『ホームランを打ったことのない君に』で日本絵本賞を受賞。
絵本、小説、評論、翻訳、作詞作曲、演奏など多様な表現を続ける。京都造形芸術大学客員教授。