2016.09.04
誰かが自分を見てくれている、というだけで人はやっていける。
フィリップ・ワイズベッカー氏に見つめられたモノたちも、
もうただそれだけで幸福にちがいない。
アートディレクター 葛西 薫
逆パースとも呼ばれる独特のフォルムで、日常にある物や建物を描くフィリップ・ワイズベッカー。虎屋やクラスカ、資生堂『花椿』の仕事などで、日本でもよく知られてリます。
2002年に4ヵ月間京都に滞在し、日本の職人の道具に魅せられたワイズベッカー氏は、古いノートにドローイングを描きました、2003年に48ページで出版されたそのドローイング集は、古書価格で一時期6万円もの高値がついたこともあるほどの人気。この度、そのドローイング集が64ページの完全版として再出版されました。
フィリップ・ワイズベッカー
1942年生まれ、フランス、パリで育つ。1966年国立装飾美術学校卒業。1968年にニューヨークに移り、アーティスト、イラストレーターとして活動を始める。現在はパリ、バルセロナを拠点に活動。出版や広告の仕事も多くJAGDA、NYADC、東京ADCなど、国内外で受賞。2002年にはフランス政府によるアーティスト・イン・レジデンスの招聘作家として京都に4ヵ月間滞在。本書はその滞在期間に描かれている。日本での出版物には『ACCESSOIRES』『MARC´SCAMERAS』『POBLENOU』『INTIMACY』など。
フィリップ・ワイズベッカー作品集
HAND TOOLS(完全版)
888(ハチミツ)ブックス刊 2,500円+税