2018.04.13
場所が決まっているわけではない。
くつろいだ居間で、雑踏の中の片隅でさらには楽屋で、もちろん公園でも、人々は自分の生活圏の中の様々な場所で読み耽る。
それは本であったり新聞や手紙なのかもしれない、あるいは紙切れに書かれたちょっとした連絡事項なのかもしれない。
アンドレ・ケルテスは「読む」人を写す。
国も、年齢も関係なく読むことに没頭する人々を見ると、生きている愉しさが伝わってくる。
『ON READING』のページを開くと、本屋の看板を掲げていることの重さと、喜びを感じないわけにはいかない。
『読む時間』 アンドレ・ケルテス著 創元社刊 定価2,200円+税