2017.02.17
画家で食通と言ってしまうと陳腐だが、食に通じていると平ったく言い換えた方が似合う牧野伊三夫さんがはじめてかいたレシピ本。
仕事のために一日の時間割を作って規則正しく生活して二十五年がたつ牧野さん、只者ではない人のレシピは決して難しくはないがひとつひとつの工程をおろそかにしない、丁寧に素材に向き合って作られる料理はどれもおいしそうだ。
さっそくこの本をテキストに料理を作ってみよう、準備万端心静かに台所に立とう。鍋の煮汁がグツグツ、チリチリ、パチパチと乾いた音に変わり、かぼちゃの塩煮が香ばしいにおいを発するときを待とう。おもむろに冷蔵庫から冷えたビールを取り出そう。
かぼちゃを塩で煮る 絵と文 牧野伊三夫 幻冬舎刊 定価1,300円+税